税務問題・タックスプランニング

一般的に、法律の問題は「弁護士」、税金の問題は「税理士」という形で、それぞれ別の分野の話と捉えられる事も少なくないようです。

しかし、現実に何か問題が生じたとき、あるいは問題を未然に防ごうとするときに、取り得る中で最善の手段を選ぶためには、法律面のみの検討だけでは不十分ですし、逆に税金の事だけを考えて行動しても、決してうまくいきません。

例えば、多少古い例ですが有名なケースとして、離婚に際し、夫が妻に特に深く考えずに不動産を財産分与したところ、財産を分与された妻の側には税金が掛かからないのに対し、財産を分与して資産を失ってしまったはずの夫に、さらに追い打ちを掛ける形で高額の所得税が課されてしまった(不動産を財産分与すること自体に法律上の問題は無いが、その不動産を対価として、財産分与義務を消滅させた時点で、これまでの値上がり益が顕在化したと解釈された)というケースがありました。

逆に、税務上の負担を出来るだけ軽減しようと、自分自身は「節税」のつもりで行っていた行為が、行き過ぎてしまった結果、「租税回避行為」や「脱税」として問題にされてしまうケースも少なからず存在していると思われます。

事務所は、依頼者の抱えている問題に対し、法的側面のみならず、税務という側面からも総合的に捉える事により、依頼者の要望に可能な限り応えつつ、トータルで最善となる解決を提供する事を目指し、法律業務だけでなく、税務業務に関するサービスの提供も行っております。

当事務所が提供するサービス

1. 税務顧問

当事務所では、一般の法律顧問サービスのプラスアルファとして、税務に関するコンサルを含む税務顧問サービスをオプションとして提供しております。

弁護士に法律顧問を依頼して毎月顧問料を支払っているが、必ずしも毎月何かの事件や相談があるわけではない・・。逆に、税理士に税務顧問を依頼しており、毎月の諸作業はやってもらっているが、いざ法律的な問題が生じた際には解決が困難であるため、改めて弁護士を探さなければならない事になる・・。

あるいは、弁護士と税理士それぞれに顧問を依頼しているが、相互に意思や情報の疎通ができていない・・。弁護士と税理士の二件分の顧問料は負担が大きい・・。

そのほか、法律顧問と税務顧問が別々となっていることに対する不安や不満をお感じの場合には、是非一度、効率の向上とコスト削減の観点からも、ご検討頂ければと思います。

もちろん、既に依頼している顧問税理士の方がいらっしゃる場合、無理にその関係を終わらせる必要は全くありません。当事務所の税務顧問サービスを、第二の税理士による純粋なセカンドオピニオンとして、あるいは税理士とは異なる弁護士としての視点からのアドバイスとして、並列的にご活用頂くことも大歓迎です。あるいは、3で説明するような、不服申立手続の段階から併存的に関与する(バックアップ)という形も可能です。

但し、税務調査等の立会は、それ以前から継続的に相談を受けるなどの関与を通じて、業務内容等を十分に把握している必要がありますので、ある程度の期間に顧問契約を継続している顧問先からの御依頼に限らせていただいております。

2. タックスプラニング(主として相続税対策、事業承継)

相続の対策として、まず真っ先に挙げられるのは、遺言を残すことですが、遺言の内容は、基本的に本人が自由に決めることができる反面、遺言の定め方や、そもそも相続財産として何をどのような形で残しておくか(事前に財産の内容を変えておくか)などによって、遺族の方々が負担する相続税の額は大きく変わってくる可能性があります。

さらに、これが一般の相続ではなく、いわゆる事業承継ということになれば、事業承継税制など、検討すべき項目はさらに拡大しますし、スムーズな承継を実現するためには、事前の緻密な対策が不可欠といえます。

当事務所は、相続を主たる取扱業務としており、これまでにも様々な事案において実績を積んできております。また、必要とされる業務内容に応じ、提携する税理士法人とも緊密な協力体制を取ることができますので、依頼者の望む内容に最も即した相続プランの策定を手助けさせていただきます。

さらに、当然のことながら、弁護士は、特定の分野に限られない、相続に関するあらゆる法律業務を処理することが可能ですので、遺言書の作成から、実際の遺言執行の場面まで、あらゆる段階において、総合的にサポートさせていただきます。

3. 税務訴訟、その他不服申立

当事務所では、税務訴訟のほか、税務署に対する異議申立、国税不服審判書に対する国税不服審査申立といった、不服申立手続きについても、最大限のサポートを致します。一般に、異議申立、国税不服審査の段階までは、必ずしも弁護士が代理人として就くわけではなく、当事者自身が直接手続きを行うか、それまで決算等に関与してきた税理士が、そのまま代理しているというケースが多いように思われます。

しかし、弁護士が関与する場合、将来的に実際に判決を下す裁判官と同じ、法律家としての観点から、税法(通達ではありません)の解釈や、事実認定について有益なアドバイスをすることが可能です。

特に税務訴訟や、少なくとも審査請求のような訴訟類似の制度における主張立証活動の場面においては、多数の訴訟経験を有する弁護士の関与が、訴訟等の進行上、有為な影響をもたらす事は確実です。

なお、それぞれの不服申立方法については、比較的短期の申立期間が法律上定められておりますので、手続きの途中から当事務所に御相談に来られる場合には、申立期限も十分に意識していただくのはもちろんのこと、選択肢を広げるためにも、できるだけ早い段階でご相談に来ていただければと思います。

  1. 異議申立て:処分があったことを知った日の翌日から起算して2か月以内
  2. 審査請求:異議決定書の謄本の送達があった日の翌日から起算して1か月以内
    ※但し、異議申立てを経ずになす審査請求の場合は【1】と同じ
  3. 税務訴訟:裁決書謄本の送達があった日の翌日から起算して6か月以内